わたしが市議会議員のときから、二月になるとある相談が寄せられます。シングルマザーのお母さんからの相談です。「子どもが認可保育所に入れなかった。市役所に行けば『就労していないから点数が足りない』と言われ、仕事を探しに行けば『子どもが保育所に入っていないから採用できない』と言われる。一体どこから先に行けばいいんですか?」。赤ちゃんを抱っこしたお母さんからの相談に、わたしも言葉に窮するのでした。
去った2月議会で、ひとり親家庭の保育所の就園状況について質問しました。部長答弁では、平成31年4月1日時点で、県内11市における、ひとり親家庭の入所申込者数4329人のうち、4233人が入所できて96人が待機児童になったとの答弁でした。
一方、厚生労働省は「保育所入所選考における母子家庭等の取り扱いについて」の通達を出しています。ひとり親家庭は子育てと生計維持という2つの役割を1人で担っているので、保育所の入所選考の際には特別な配慮義務がある。また、母子家庭をめぐる就職環境は厳しいので、たとえ求職活動中でも、就労と同等のものとして優先的に扱うように。というような内容です。
そこでわたしは県内11市の「ひとり親世帯の優先順位」を調べてみました。ひとり親がフルタイムで働いている場合は、どの自治体も優先順位は1位でした。しかし、ひとり親が求職活動中の場合の優先順位は、自治体によってバラバラです。出産後まだ赤ちゃんが0歳、1歳のお母さんたちは、今から求職活動する人がほとんどです。わたしは、ひとり親世帯の保育所優先入所を徹底するべきだと求めました。子ども生活福祉部長は、「ひとり親家庭が子育てと生計維持という二重の役割を持っている。県として法の趣旨、通知の趣旨などについて配慮がなされるように引き続き市町村へ働きかけていきたい」と答弁しました。
質問が終わった帰り道。相談に来たお母さんと赤ちゃんの顔が思い浮かびました。これからも、ひとり親家庭への育児支援と就労支援をセットで求めていきます。